見出し画像

意外なところに改善点が!当たり前を見直してサステナブルにアップデートした事例を紹介【Weekly News#30】

こんにちは!
フォワード(現:バイウィル)でインターンをしている海野です。

サステナビリティ・ブランディング【Weekly News】では、企業のサステナビリティ推進のヒントとなるような情報を発信しています!
今週もよろしくお願いします!

既存の商品をサステナブルにアップデートした2社の事例をご紹介します!

今週Weekly Newsのテーマは、「当たり前の見直し」です!

SDGsの目標の一つに「持続可能な生産消費形態を確保する」(「12.つくる責任 つかう責任」)というものがあり、多くの企業が、資源を無駄にしないため、環境に配慮した資源を活用するための様々な施策を行っています。

とはいえ、そのような中で、「自社としては、何をやったら良いだろうか・・?」と悩む担当者の方もいるのではないでしょうか。

今回のWeekly Newsでは、そのようなお悩みのヒントとなる、2つの事例をご紹介します!

事例① 三菱鉛筆株式会社 
シャープ替芯『uni(ユニ)』から詰替用の替芯を発売

まずご紹介するのは、シャープペンシルの替芯の販売方法を見直した事例です!
シャープ替芯を扱うほとんど企業は、替芯をプラスチック製のケースに入れて販売しており、使い終わったらケースを捨てるということが当たり前に行われています。

多くの商品が同じようにプラスチック製ケースで販売されているため、「まだ使えるはずのプラスチックケースを使い捨てている」、「環境に負荷をかけているのでは?」という意識を持ったことがないという方も多いかもしれませんが、環境を守るためには、改善の余地があるといえます。

実際に一部のユーザーからは、「もっと環境に配慮したものにしてほしい」という声が聞かれるようにもなってきているそうです。

そのような現状を見直し、新たな販売方法を開始する三菱鉛筆株式会社の事例をご紹介します!

【概要】

三菱鉛筆は、2023年2月22日にシャープ替芯『uni(ユニ)』から、本体ケースへ詰め替えて使用する『uni(ユニ)詰替用』を新発売するそうです!

『uni(ユニ)詰替用』は、古紙利用率が高く、”リサイクルの優等生”とされる段ボール素材のパッケージに、本体4個分のシャープ芯を収容しています。手持ちのシャープ替芯本体ケースに詰め替えることで、本体ケースを捨てずに繰り返し使うことができるようになります。

シャープ替芯は使い捨てのプラスチック製ケースが主流であり、ケースに関する「もったいない」「環境にもっと配慮したものがほしい」といったユーザーの声やサステナブルな社会の実現に向けた機運の高まりを踏まえ、シャープ芯では初となる「詰替用」を開発したそうです!

シャープペンシル・シャープ替芯のメインユーザーである学生へのヒアリングを重ねた結果、空のプラスチックケースに関して、「まだきれいなケースを捨てるのがもったいない」、「0.3㎜芯は特に減りやすいからすぐに空のケースがたまる」などの声が聞かれたとのことです。

この商品は、段ボール素材や本体ケースを繰り返し使えるというサステナブルな良さがあるだけでなく、日々の勉強で大量にシャープ芯を消費する中学生・高校生のシャープ替芯のまとめ買い需要に応えることにもつながっています。

メインユーザーである学生の声に応える形で開発されたサステナブルな発想のシャープ替芯、『uni(ユニ)詰替用』。発売後の反響に注目です!

アサヒビール株式会社
『アサヒスーパードライ エコパック』

次にご紹介するのは、缶ビールの6缶パックをまとめる包装を見直した事例です!

スーパーマーケットなどで良く目にする6缶セットで販売されている缶ビールは、紙資材で6缶の全体を覆うようにして固定されているものがほとんどかと思います。

ほとんどの商品が同じタイプの包装をされているため、特に気に留めたこともないという方も多いかもしれませんが、こちらもより環境に配慮したものへのアップデートができるようです。

資源の軽量化のための新たな形の包装の導入を図るアサヒビール株式会社の事例を紹介します!

【概要】

アサヒビール株式会社は、6缶パックにおける紙の使用量を大幅に削減した紙資材「エコパック」を使用した『アサヒスーパードライ エコパック』を、2022年5月31日からテスト販売しています。2023年には、本格展開を目指しているとのことです。

「エコパック」は、缶の上のみ固定する紙資材で、従来使用していた6缶パック資材と比べると、紙の面積を350mlの6缶パックで77%、缶500mlの6缶パックで81%削減できるそうです。
実際のパックの様子は、ニュースリリース内の写真から確認できます!

アサヒビールは、年間で約4.5億枚の6缶パック資材を使用していて、環境負荷低減を目的に資材の軽量化を進めており、2021年10月に、日本で初めて※「エコパック」を使用した『アサヒスーパードライ エコパック』の第1弾のテスト販売をしています。2022年5月からのテスト販売では、第1弾の結果を踏まえたうえで実施したとのことです。
(※:アサヒビール株式会社調べで、缶体の上部のみを固定する6缶パック紙資材においては日本で初採用。)

第一弾に対する消費者の声としては、「ゴミが減るのが嬉しい」や「思ったより頑丈で持ちやすい」などどいう好評の声と、JANコードの読み取りずらさや缶の取り外しにくさなどについての指摘の声があったようです。

こうした声を踏まえて、①JANコードを約3割大きく印刷し、②缶の取り外し方のイラストを記載し、③認知度向上のためにロゴや動画を制作する、という3点の変更を行い、第2弾のテスト販売を開始したそうです。

この6缶パック資材の導入が成功すれば、「アサヒスーパードライ」以外のブランドへの幅広い展開も期待されます。本格的に展開されるのが楽しみです!

2つの事例についての考察
~「当たり前」を見直してサステナブルな商品に

今回ご紹介した2つの事例に共通する点としては、これまで商品の“当たり前”だったことを見直し、より環境に配慮した形にアップデートしたということが挙げられます。

「持続可能な生産消費形態を確保するために、自社ができることとは・・?」と考えると、環境に優しい資源を使った新たな商品を開発することや、新たにリサイクルやアップサイクルの取り組みを始めることなど、ゼロから新たなことを始めると考えがちではないでしょうか。

もちろん、上記のようなことも効果的な施策といえますが、現在自社が扱っている商品を見直すということも同じくらい重要ことだと考えます。

例えば、せっかく環境に配慮した新商品を発売し、リサイクルの取り組みを行っていたとしても、消費者からの認知が高い商品には、そうした環境への配慮が反映されていない・・というのでは、環境への影響の大きさや消費者からの納得感という点から、もったいないように感じます。

むしろ、現在、多くの消費者から認知され、使用されている商品こそ、サステナブルへのアップデートを行うことの影響力が大きく、消費者からもサステナビリティに取り組む企業としてのイメージを持たれることにつながるのではないでしょうか。

消費者が「環境に配慮した商品である」ということを理由に商品を選ぶことも考えられますし、消費者からの支持が高まれば、これまで業界内で当たり前だったことが変わり、業界全体をサステナブルにシフトさせるほどの影響力を持つことも考えられます。

新しい取り組みや目新しさのある変化を求めるだけでなく、自社や業界の中で当たり前に行ってきたことを、改めてサステナビリティの観点から考え直す機会を作ってみてはいかがでしょうか。


その他の、サステナビリティ・ブランディング【Weekly News】はこちらからご覧いただけます。

今週も最後までご覧いただきありがとうございました!


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!