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サステナブルであること自体がアピールポイント!カネボウ化粧品「ALLIE」の事例を紹介します~サステナビリティ・ブランディング【Weekly News#25】

おはようございます!
フォワード(現:バイウィル)でインターンをしている海野です。
昨年に続き、Weekly Newsを担当します。今年もよろしくお願いいたします!

サステナブルな特徴で選ばれる商品

今週は、「サステナブルな特徴で選ばれる商品」というテーマでサステナビリティ・ブランディング【Weekly News】をお届けします。

これまでの振り返り

これまでのWeekly Newsの中では、「消費者から選ばれるサステナブルな商品・サービスとはどのようなものか」について検討してきました!
#23では、サステナブルなだけではなく、消費者にとってのメリットがある(=「サステナブル+αの価値」がある)商品・サービスが消費者から選ばれるのではないかと考え、ZENBヌードルの事例を取り上げました。

上記の記事内では、「サステナビリティへの関心が高い消費者は『サステナブルである』という特徴にメリットを感じるが、それ以外の消費者は、『変化を感じない』、『既存の商品のままの方が良い』と思うのではないか」ということを書きました。

そして、そのような消費者からも選ばれるためには、サステナブルであること以外にも、消費者が選びたくなるようなメリットを提供することが必要だということをお伝えしました。

今回のテーマ

そこで、あえて今回は、「サステナブルであること自体に消費者がメリットを感じ、それを理由に商品を選んでもらう」という考え方が適用できる場合を考えてみます!

上記のような考え方が成り立つのは、「商品・サービスのサステナブルな特徴」と「商品・サービスを利用する人にとってのメリット」が一致している時です。

そして、そのような状況が成り立つのは、商品・サービスのサステナブルな特徴が、その商品・サービスを利用するシーンに直接影響を与えるような社会問題の解決のためになる場合です!例えば、キャンプが好きな人の多くは自然を大切にする気持ちが強く、できるだけ森林にダメージを与えずにキャンプをしたいと考えており、森林保全につながるような商品に魅力を感じるのではないでしょうか?

日やけ止めブランド ALLIE

サステナブルな特徴によって消費者から選ばれている商品の例として、カネボウ化粧品の日やけ止めブランド「ALLIE」について考えます!

時代に合わせた美しさを追求してきたアリィーが、2022年、新しい美しさを提供するため、日やけ止め全品を一新し、2022年2月12日(土)より新発売いたします。
 世界では、一部の国・地域・ビーチにおいて、特定の成分を含む日やけ止めの持ち込みや販売などを制限する動きがあります。今回のリニューアルでは、一部の国・地域・ビーチの規制に配慮した設計の『ビーチフレンドリー処方』を新採用いたしました。また、パッケージには環境に配慮した素材を採用。アリィーは、“世界を想い、美しさがつづく※1 “という新たな価値を日やけ止め市場へ提案いたします。
 また、ハワイ州観光局と連携し、海洋生物保護活動を実施してまいります。
〈ブランドリニューアルについて〉
アリィーが考える、サステナビリティは、“世界と共に自分も美しくありつづけること”。
「ひと塗りから、世界を想う。美しさつづく※1。Think Sustainability, Be Beautiful.」をコンセプトに、2022年2月、ブランドリニューアルいたします。
※1 スキンケア効果またはメイクアップ効果による肌仕上がりのこと

(出典:PR TIMES 株式会社カネボウ化粧品 2022/2/10プレスリリースより
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000424.000016220.html

水環境に優しい商品設計

「ALLIE」は2022年2月にブランドリニューアルし、「ひと塗りから、世界を想う。美しさつづく。Think Sustainability, Be Beautiful.」というコンセプトを掲げています。

「世界と共に自分も美しくあり続ける」というサステナビリティを目指すアリィーは、一部の国・地域・ビーチで特定の成分を含む日やけ止めの持ち込みや販売などを制限する動きがあることを背景に、一部の国・地域・ビーチの規制に配慮した設計の『ビーチフレンドリー処方』を新採用しました。

商品パッケージには、ビーチフレンドリー処方であることを表すビーチフレンドリーマークが付けられ、公式サイトの商品設計のページのトップにもビーチフレンドリー処方であることが書かれています。

また、2023年からは、製品の使用による日常生活での洗い流しやレジャー時の環境流出を考慮し、水環境の生態系への影響が懸念されない設計であるとして、『ビーチフレンドリー処方』を、『環境に配慮した設計(水環境リスク評価済)』と再定義し日やけ止め全品で対応していくとのことです。
(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000504.000016220.html

このようにアリィーは、サステナブルである(特に水環境に配慮している)という特徴を、前面に出して商品をアピールしています!そして、このアリィーの「水環境に配慮している」という特徴は、それ自体が商品を選ぶ理由になっているように思います。

海で日やけ止めを使用し、マリンレジャー・マリンスポーツを楽しむ方々の中には、「海を汚染して、海の生き物にダメージを与えたくない。」、「いつまでも美しい海を楽しみたい。」と考えている方も多いでしょう。そのような方々にとっては、水環境の生態系に配慮した設計であるということは、直接的なメリットになるといえます。

もちろん使い心地の良さなどにもこだわった商品設計がなされており、そうした点からも選ばれていると思いますが、「水環境に配慮している」という特徴があることを理由にこの商品を使いたいと思う消費者は少なくないのではないでしょうか。

ターゲットに合わせたサステナビリティの発信

ここまで、アリィーのサステナビリティは、海で日やけ止めを利用する人にとってのメリットと感じられるものであり、それ自体を理由に商品が選ばれているということを述べました。

日やけ止めは様々な使用場面が考えられますが、今回のアリィーの事例では、特に海での使用シーンに焦点を当てたサステナブルな商品設計を行い、海で日やけ止めを使用する人というターゲットに合わせて、PRをしているように思います。

例えば、サステナブルな取り組みとして、ビーチクリーン活動に参加したり、プロサーファーの松田選手をサステナブルアクションのアンバサダーに選任したり、商品の写真やホームページのデザインが海を想起させるようなものであったり、といったことからこのように感じました。

記事の冒頭では、サステナブルであること自体を理由に商品を選んでもらうためには、その商品を利用するシーンに影響を与える社会問題の解決につながるサステナビリティであることが必要だと書きました。

今回の事例の日やけ止めのように、商品を使用するシーンが幅広く想定できる場合には、より具体的なシーンを設定することによって、取り組むべき社会問題が見つかりやすくなるでしょう。

そのようにして定めたターゲットに対して、共感されるような取り組みや発信をしていくことが、サステナブルな特徴そのものにメリットを感じてもらい、商品を選んでもらうことにつながるのではないでしょうか!


今回のWeekly Newsでは、「サステナブルな特徴で選ばれる商品」というテーマで記事を書きました。

商品を使用する具体的なシーンを考え、そのシーンと関連性の高い社会問題の解決に資するような設計にすることで、サステナブルな特徴が支持され、選ばれる商品を生み出すことができるのではないでしょうか。

その他の、サステナビリティ・ブランディング【Weekly News】はこちらからご覧いただけます。

今週も最後までご覧いただきありがとうございました!