「パーパス」と「ミッション・ビジョン・バリュー」の違いとは?
はじめに
こんにちは!マーケティング担当です。
前回の記事では、パーパスとは、企業が社会において「なぜ存在するのか」を表したもので(最近は一言で社会的存在意義と表現される)、パーパス策定にあたっては、社員が心から共感できる「自社らしさ」と「社会的価値」を組み込んだ内容にするべき、ということをお伝えしました。
そして今回のテーマは、
「パーパス」と「ミッション・ビジョン・バリュー」(=MVV)との違いについてです。
正直・・・私自身この違いを理解するのには時間がかかりました・・・・!
「ミッション・ビジョン・バリュー」や「社是」「経営理念」などなど・・・企業が掲げる「理念体系」には様々な表現があり、何が何だが分からなくなってしまったのです。
「いったいその違いは何なのか・・・・」
「パーパスが加わることで、これまでの理念はどうなるのか・・・」
「1つ加えるなら他の概念も作り変えるべきなのか・・・」
実際、パーパスと他の概念との違いがよくわからないという声は多くの方が抱える疑問でもあります。この記事を通して整理していきましょう。
違いを理解するポイントは、「パーパス」や「ミッション」といった名前の方にとらわれるのではなく、その中身が何を表しているのかに着目することです!
パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの違い
弊社ではパーパスやMVVの4つを「パーパス:Why」「ミッション:What」「ビジョン:When&Where」「バリュー:How」と整理して考えています。
上記は弊社なりの考え方ですが、そもそも「ミッション」や「ビジョン」という言葉に絶対的な定義がないということもあり、既に存在する様々な企業の理念体系には、ミッションと呼ばれているものの中に「Why」の要素が入っていたり、ときには「When&Where」の要素が入っているなど、企業によって捉え方が異なっているのが実情です。
そこで大切になってくるのは、この名称の通り4つに分かれて定義されているかどうかではなく、「Why、What、When、Howという観点で、概念体系がきちんと整理できるかどうか」となります。
パーパス・ミッション・ビジョン・バリューの関係を図にすると?
この図をみるとはっきりしますが、会社経営において全ての軸であるパーパス(=Why)が最上位に位置し、その他3つが「何を、いつまでに、どうするのか」という観点でパーパスに向かっています。
分解すると・・・・
「Why」なぜ会社は存在するのか、という企業の軸がパーパス
↓
そしてパーパス達成のために企業が「What」何をするのかがミッション
↓
パーパス実現のために、ある一定の期限を見据えて「When」いつまでにどんな状態を目指すのかがビジョン
↓
パーパスに向かっていくために、従業員が日ごろから「How」どのような心がけで行動すべきがを示したバリュー
と解釈することができます!
大切なのは「呼び方」ではなく中身が何か
このように自社の理念を見つめなおしたとき、4つの観点から整理することができれば、「Why」の位置づけにあたるパーパスを、「ミッション」と言っても、あるいは「社是」と表現しても、他の名前で呼んでも問題ありません。
ただし・・・「どういう位置づけでそれぞれの要素が存在するのか」社員全員の認識がそろっていることはとても重要になります!!この観点をもとに、社員の皆さんが自社の理念体系をしっかりと解釈できる浸透活動を行っていきましょう!
【4つの観点が盛り込まれている企業例】
ここまでお伝えしたことを踏まえて、株式会社リクルートが掲げている経営理念をみていきましょう。
リクルート社では、Whyの部分を「パーパス」と表現していませんが、基本理念と呼ばれる所をパーパスと捉えることができるでしょう。
【Why】なぜ存在するのか
「新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。」ために存在する。
【What】そのために何をするのか
「まだここにない出会いをより速く、シンプルに、身近にしていく」ということを行っていく。
【When&Where】どんな状態を目指すのか
「一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せる」という世界をつくることを目指す。
【How】そのために、何を大切にして日々行動するのか?
「新しい価値の創造」「個の尊重」「社会への貢献」を日々意識して行動する。
というようにリクルート社の経営理念は、4つの観点で整理することができます。
急ぎ足でパーパスをつくる前に・・・
今回は、パーパスとミッション・ビジョン・バリューの違いについてお伝えしてきました。貴社の理念体系は4つの観点が盛り込まれたものになっていますでしょうか?
「パーパス」という言葉はこれから先もっともっと話題になり、耳にする機会も増えるかもしれません。「作らなければならない」と急ぎ足になる前に、一旦これまでのものに「Why」が盛り込まれた内容になっているか考え整理してみてもよいかもしれません。
さらに詳しい内容は弊社のブログをご覧ください。
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